2009年3月 1日 (日)

米澤穂信「秋期限定栗きんとん事件」(上)

待ちに待ってた小市民シリーズの続編が出ました。小市民を気取る探偵気質の小鳩くんと、復讐と小市民を操るのが好きな小佐内さんは、前作で袂を分かったのでどう始まるのかと思いきや……そう来たか、ってカンジ。小鳩くんの友人で親分気質の堂島くんが仕切る新聞部の主導権争いと、市内で発生する連続放火事件。その陰に見え隠れする小佐内さんの姿に謎の存在を感じ取り、居てもたってもいられず新しくできたカノジョそっちのけでついつい推理してしまう小鳩くんの明日はどっちだ。

上巻なのに、いつもの『上等なオブラートにくるんだビターテイスト』が炸裂です。3月中にでるらしい下巻が待ち遠しい!

あー、入間人間「電波女と青春男」は何だか後に回しちゃうんだよなー、早く読んどかないと。

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2008年10月 8日 (水)

詠坂雄二「遠海事件」

けっこう検索キー「詠坂雄二」「リロ・グラ・シスタ」で飛んでくる人が多いので、モンハンばっかやってたもんで買ってしばらく積んであった本書を日帰り出張の移動中に読んでみました。

サブタイトル「佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」と、ドキュメンタリー風な体裁(詠坂雄二がドキュメンタリーのノベライズ作家、という位置づけ)により冒頭で説明される主人公・佐藤誠の設定を見ただけで、ある程度こなれた推理小説読みの人は本作のホワイダニットに何となく察しがついちゃうのかもしれません。が、俺は謎解きがしたいんじゃなくて推理小説が読みたいので(=謎解きで正解したことがないやつの負け惜しみ)今回も非常に楽しめました。あと、佐藤誠に自首を迫った探偵は「リロ・グラ・シスタ」の『名無しの探偵』なのかなー、とか思ったり。

今活字で作者買いしてるのは米澤穂信と入間人間とおかゆまさき(次点:西尾維新)ぐらいなので、支援継続します。あー、田中ロミオの学園モノ買ってたはずだから、部屋から発掘せねばー。

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2008年9月 9日 (火)

入間人間「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん6」

ぐあああああ、あとがきから読んでみようとしたら最終ページの最後の1行が目に入っちまったぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!

電撃文庫の異端「みーちゃんまーくん」の最新刊な訳ですが、語りたくても語れNEEEEEEEEEE!!!!ラノベというより推理小説として愛読してるんで仕方ないんですが。自業自得なハプニングにもメゲず読み通しましたよ。

9月19日配信の電撃文庫ウェブラジオに作者様がゲスト出演するので絶対チェックするよ!つかミキティこと三木一馬も出るのかしらん。

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2008年5月15日 (木)

入間人間「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」5

待望の後編、解決編ということもあって今回もみーくんの肉弾幸が炸裂です。あまりの壊れップリに「シリーズ終わっちゃうんじゃね?」とか本気で焦りました。

崩壊したまーちゃんの自我を再構築するため、かつての事件の舞台である自宅跡に、なぜかアマチュア無線部部長・伏見柚々と共に赴いた「みーくん」は、なぜか奇妙な密室状態で殺人事件に巻き込まれてしまう…二人は生き延びることはできるか?そして、まーちゃんは元に戻るのか?

というのがざっくりした前編のあらすじなんですが、強引な前フリやもっさり感もどこへやら、次々と起きるイベントに色々と奪われました、目とか正気とか。

謎が解かれていく様を面白がるために推理小説を読んでる身としては、冒頭のアクションシーンといい5章のカウントダウンといい非常にハラハラしました。なまじ展開を先読みしたりすると、この楽しさは味わえませんからねえ……犯人当てなんて何だい、よ(負け惜しみ)。ガチなヤンデレを前面に押し出す本シリーズは電撃文庫としては異端だと思うのですが、今回また飛びっきりのキーワードが登場します。その事実を知っても、登場人物が(1人を除いて)パニックとか起こさず、淡々と事態が壊れていく様が何ともいえません。

あと今回、西尾維新「戯言シリーズ」で言うところの零崎人識に相当する、みーくんのオルタナティブとも言うべきキャラ・大江湯女が登場したのですが、是非また登場して欲しいところです。

それと、TW2シルバーレインのリプレイ小説のイラストを、このシリーズの絵師・左さんが描くという発表がGWの東京オフであったことを記載しときます。ゲームの質問会で出た話題なのですが、プレイヤーだけで600人を越える会場が「嘘つきみーくんと~」の名前で軽くどよめいたのは読者として喜ばしい事でした。

という訳で支援継続確定なのですが……回収してない伏線ってもう残ってない、よね?今回まーちゃんが妄想シーンでしか活躍してないから、次回は新しいシチュエーションでまーちゃんの出番が多いといいな。

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2008年4月 9日 (水)

近況報告とああ勘違い、だがそ(略

さっきGF団見たら入間人間「嘘つきまーくんと壊れたみーちゃん」4巻が写ってたよ!マジか!前にどっかで見た「5月に5巻」は誤植だと思うようにしてたんだけど、こりゃ嬉しい誤算だ。早速明日ゲットせねば。

これだけだと寂しいので、もう少しだらだらと。先週土曜にふと近所のツタヤのDVDレンタル会員になりました。いつもの様にマンガ買い込んだ後、ふとDVDの棚をピンポイントで見てみると「相棒」の1番最初のやつが1つポツンと貸出可能になってたので、即借りて即返しました。元々レンタルビデオの経験が皆無に近いのと人の話を聞かないので、貸出し返却時のお約束ぶっちぎりで我ながらオヤジ臭さに絶望した!肝心の中身はというと、これが土曜ワイド劇場枠で放送されればインパクトあるだろうなーという納得の出来でした。GWには映画やるんだよなー見にいこっと。

ええと、買ったマンガは「暁のイージス」2巻とか「ギャグマンガ日和」9巻とか。あと主にドラゴ氏から評判を聞き及んでた福満しげゆき「生活」1巻があったので買ってみたが、思いっきりガロ系で咀嚼が難しい感じ。絵柄というか描線に榎本俊二っぽさを感じたような気がしたがそんなことはなかったぜ!

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2008年4月 2日 (水)

最近のネタお蔵出し

時間が経ちすぎたのでまとめて。

  1. 家の鍵を落として1晩外泊するハメになったので、平日にもかかわらず迷わずネカフェへGO!前から気になってた甲斐谷忍「LIER GAME」既刊6巻と「ONE OUTS」全19巻を読破する。「ONE OUTS」は地味だけど「キャットルーキー」と「おおきく振りかぶって」の美味しいとこ煮詰めたような感じの名作でした。リソース管理!
  2. 富士鷹ジュビロが新連載「月光条例」で週刊少年サンデーに復活!やっぱ存在感あるなよあ。でも今いちばん気になってるのは、雷句誠「金色のガッシュ!!」最終巻に、師匠でもあるジュビロがなんてコメントを寄せてるかですね。
  3. 祝・椎名高志「絶対可憐チルドレン」アニメ化!嬉しいんだけど、薫は平野綾だし、EDは3人娘が歌ってて「なーんかガッついてんなー」(UPLIFT氏談)ってカンジ?久々にPSXの録画機能を使うトキが来たようだな!
  4. 西尾維新「零崎曲識の人間人間」。タイトル見て入間人間と関係あるのか期待したけど何もなかった。ジャンプマンガ展開が上手いのは百も承知してるから、そろそろ次のステージに進んで下さい。
  5. 5月には入間人間「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の続きが出るらしい。楽しみ楽しみ!

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2008年2月22日 (金)

海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」

去年の年末に買っておいたのだが放置していたので、友人の結婚式に出席するため帰省した折、新幹線+電車内+実家で読みきりました。前作「チーム・バチスタの栄光」もそうだったけど映像的というかすぐにでもTV化できそうなクオリティです。でも今回はかなりファンタジー入った歌唱ネタが入ってるので難しいかな。気合が入ってるのは分かるけど、その分殺人事件の謎解きに目が向けられなかった感じがします。前作はおふくろの受けも良かったようだし、シリーズ続編も読むでしょう。

ところで「チーム・バチスタの栄光」映画化の報を聞いたとき、キャストで首をひねりまくった覚えがあります。竹内結子が誰の役なのかということより、阿部寛が田口先生と白鳥監察官どっちの役をやるかという事で。消去法で白鳥監察官と納得しましたが、私の脳内キャストは田口先生が阿部寛で白鳥監察官はアミーゴ伊藤アナ@フジテレビだったりします。

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2007年12月25日 (火)

入間人間「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3」

いいなあ!アナログコントローラーいいなあ!!(挨拶)

3作目はついに来ました妹ネタ!ていうかヤンデレキャラ多すぎ!なんつうか物騒すぎるな、みーくんの街。
町内で起きた連続動物撲殺事件に続いて発生した殺人事件、その現場で偶然目撃した、かつて死んだと思われた妹……。
相変わらずなヤンデレヒロインことマユ(まーちゃん)に振り回されながらも、妹の行方と事件との関連を調べていくみーくん。
終盤のみーくんと犯人の息詰まる対決シーンは笠井潔の矢吹駆シリーズを思い出しました。しかもそこから更にもうひと波乱起きる始末。

うーん、ヤンデレとか関係なく、電撃文庫のメインターゲットである思春期のお子様に頑張って読んでもらいたいかも。
2作分のみーくんの苦闘に付き合ってきた身として、隠れ巨乳なアマチュア無線部部長・伏見柚々とのバドミントンシーンはいろんな意味で救われました。

これで1作目の伏線は使い切ったような気がするので、今度は恋日先生の再就職先で起きた事件を解決するとか、もう少しお気楽な話が見たいねえ。や、正直まーちゃんが『活躍』するシーンはイタいのよ、いろんな意味で。

あと語られなかった妹の名前……「子」か「香」が付くんだろうなぁ。「美」だと読みが変わっちゃうし。

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2007年11月15日 (木)

米澤穂信「遠まわりする雛」

なんと、うらやましい──

「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番-『十文字』事件」に続く、古典部シリーズの短編集でございます。某名作短編を彷彿とさせる「心あたりのある者は」などクオリティの高さは相変わらずでございました。

が、今回は推理小説の箇所よりも古典部の2組のカップルの仲に大きな進展があった事のほうが重要。己の感情に正直に動く摩耶花とちえる。そして、自分のライフスタイルを貫こうと悩む里志と、自分のライフスタイルを脅かすものの存在に気がついてしまったホータロー。感情より(屁)理屈が先に立つ自分は、ライフスタイルと未知なる何かの間で苦悩する少年二人に非常にインサイドできたのでした。
タイトルにもなっている短編「遠まわりする雛」は、事件の概要だけでなく、自分の生きる世界をホータローに見せることで恋愛感情を表現した千反田ちえる自身にも掛けてるのじゃなかろうか、とか思ったり。

さ、あとは小市民シリーズの続き「秋期限定~事件」をハリーハリーハリー!!(野沢那智の声で)

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2007年10月29日 (月)

西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」

前作「ぼくときみの壊れた世界」に続く作品、世界シリーズ(×Nice boat.)とでも呼ぶべきでしょうか。
主人公である私立上総園学園の中学2年・串中弔士が、自分の姉を含む学園の3大奇人と彼女候補を紹介したところで、姉が時計塔から墜落死する。しかし、姉は墜落する前にスタンガンで気絶させられた上に首を絞められた形跡があり、明らかに『殺されすぎた』状況にあった。犯人を捜すため、弔士は学園の一大奇人『静かなる人払い令』病院坂迷路に真相の探求を依頼する───

相変わらず西尾維新のネーミングセンスは容赦がないなあ。珍奇な名前はPBMでもよく見かけてきましたが、響きの良さとか字面のカッコ良さを多分意識して追求していないもんだから、キャラへの愛着が感じられないんですよ。それはさておき。

前作からの引きは病院坂先輩の名前が出てくるだけかと思いきや、最後で黒猫さん御本人がメタ探偵として登場、事件の真相と真犯人を指摘します。うーん、その動機はどうよ?まあ分からなくもないけど。ていうかこの世界シリーズ続くのか?出来が悪い訳ではないんだけど、俺の中の西尾株がストップ安なんですが。

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